酒造りをしている杜氏の手は、寒い時期に水仕事をしているにも関わらす、とてもきれいです。その理由として、お酒になる酵母を絞る前の状態の「もろみ」に直に手を触れるからだといわれています。酒かすには、もろみに含まれる多くのアミノ酸が含まれています。そのアミノ酸が美肌効果と保湿効果を肌に与えてくれます。そんな酒かすの効果を十分に生かした酒かす石けんの作り方をご紹介します。
20種類以上のアミノ酸がきめ細かな肌に変身させる
肌の表面は、肌細胞が自然と分泌する保湿成分でおおわれています。しかし、加齢や空気の極度な乾燥、紫外線などのダメージによって分泌する力が弱まってしまうと乾燥肌になり、さらには敏感肌になります。肌細胞が分泌する保湿成分の約半分はアミノ酸です。そのため20種類以上の多くのアミノ酸を含む酒かすでパックをしたり、酒かすを練りこんだ石けんを使うことで、肌の保湿機能をサポートすることができるというわけです。
さらに酒かすに豊富に含まれるたんぱく質やビタミン、マグネシウムや亜鉛などの微量元素、細胞の代謝を高める核酸などさまざまな成分が相乗効果となり、保湿効果も高まります。
酒かす石けんを使って手のひらで温めながらマッサージをすると、皮膚の表面温度が上がって自然と毛穴が開くようになります。皮膚の毛穴が開くとその中の老廃物をきれいに洗い流すことができるので、ニキビ対策にもなります。ニキビの原因は毛穴の中の老廃物と肌の乾燥にありますから、酒かす石けんはまさにうってつけといえそうです。
またアトピー性皮膚炎にも酒かす石けんの効果が期待できることが研究で分かってきています、アトピー性皮膚炎は保湿と代謝が低いという特徴がありますから、酒かすのビタミンやアミノ酸などで保湿力と新陳代謝をアップすることができます。また酒かすに含まれる「エポキシコハク酸誘導体」という物質がアトピー性皮膚炎に有効だということもわかってきています。
酒かすせっけんで気になるシミ、くすみ、ニキビなど肌トラブルを解消しましょう。
酒かす石けんの作り方
<用意するもの>
酒かす50g(板かすの場合は日本酒を加えて耳たぶくらいのかたさに練っておきます)、石けんのもと100g(簡単に石けん作りが楽しめます。2㎏で1,500円)、水60ml、型(牛乳パックなど)
① ボウルに酒かすと石けんのもと、水を入れてよくかき混ぜます。
② 良くかき混ぜたものを容器の中に詰め込みます。気泡ができないように指先でていねいに押し込みましょう。
③ ふたをしないで2日間放置して取り出します。
④ さらに2日間放置して完全に乾燥したら出来上がりです。