コスメによるトラブルで記憶に新しいのが美白化粧品で「白斑」を起こした事件でした。全国で何千人という人が被害にあいました。原因は医薬部外品有効成分「ロドデノール」ということでしたが、このようなトラブルは水面下では数限りなくあるでしょう。
敏感肌や肌荒れなど化粧品のトラブルに悩まされている人が、「無添加化粧品」「自然派化粧品」を求めるのは、こうした有害な化学成分が含まれていないと思い込むからです。しかし、その実態は全く違うものでした。
無添加化粧品と自然派化粧品の違いとは
肌トラブルに悩む女性が増えるにつれて、注目されるようになったのが「無添加化粧品」と「自然派化粧品」です。合成成分のコスメに問題があるとすれば、やはり自然由来のコスメを使って安全に過ごしたいものです。
しかしこういった「無添加化粧品」「自然派化粧品」の成分表を見てみると、肌にとって危険な合成成分にプラスアルファーとして植物エキスを混ぜただけという製品がとても多いのです。
無添加化粧品というと、合成成分が全く含まれていないというイメージがあります。なんといっても「無添加」なのですから。しかし厳密にいうと「旧厚生省が指定したアレルギーの危険性のある化粧成分を入れていない製品」ということです。
それらの指定成分はパラペンをはじめとして、102種類ありますが、この指定成分以外にも肌トラブルを起こす合成成分はたくさんあります。あくまでも指定外の合成成分は「添加物」としてカウントされていません。
そのため指定外の合成成分が配合されていてもこの製品は「無添加」と表示が許されています。つまり「無添加=安心」とはいいきれないということです。
次に自然派化粧品は、食物のエキスを抽出した成分を多く配合されたコスメという定義となっています。
しかし「植物エキスが何パーセント以上含まれていれば自然派化粧品である」といった明確な定義はありません。自然のエキスがほんのちょっぴり配合され、その他はほとんど合成成分だというコスメも多いのです。
「無添加」「自然」といった言葉に惑わされることなく、しっかりと成分表示のラベルを読み解くことが自己防衛の第一歩といえそうです。
「医薬部外品」という言葉の魔法にも注意
「医薬部外品」という表示をよく目にすることがあるでしょう。
「医薬部外品」と書かれているといかにも効果がありそうですが実際は「薬効成分が入っているけれど、その量は非常に少ないので、効果は少ないが副作用も少ない」という医薬品と化粧品のちょうど中間的な存在です。
ここで問題なのが「医薬部外品」には全成分表示の義務がないということです。薬局でしか販売できない医薬品よりも規制がゆるく、それでいて化粧品には使えない強い成分が含まれていても、ただ単に「薬用」と表示するだけで、成分表示なしで販売できるという抜け道になっています。
医薬部外品だから安心という認識は間違っていることがよく分かると思のではないでしょうか。