健康な髪にするためのトリートメントなどには効果としてキューティクルを整える作用があると書かれていますが、なぜキューティクルが大切なのでしょう。
キューティクルは髪の毛の一番表面にあるため、ツヤや手触り、なめらかさに最も影響を与えます。
さらにキューティクルは、外からの刺激から毛髪を守る働きがあります。
キューティクルが乱れてしまうと、その内側にある「コルテックス」という層が露わになってしまいます。
そうなると毛髪に欠かせない「マトリックス」というたんぱく質が流出してしまいます。
そのため、水分を保持する力が衰えて、髪がパサついてダメージ髪になってしまいます。
キューティクルは、厚くて密度が高いほど理想の状態です。
その重なり方は通常で4~6枚ほどになります。ウロコのように重なっていると考えていいでしょう。
この重なりが多いほど反射率が高く、ツヤツヤに見えて子供の髪の毛でいう「天使の輪っか」になります。
この天使の輪っかをキープするために日常的に潜むダメージの要因を知り、対策を講じましょう
物理的要因「熱」
毛髪の主成分であるケラチナミンタンパク質は、ほかのタンパク質に比べるととても丈夫で「硬タンパク質」と呼ばれています。
しかしいくら丈夫とはいっても、限界はあります。
通常、髪の毛が乾いた状態では180℃、湿った状態では130℃を超えたあたりからタンパク質に変性を起こし始めます。
つまり髪の毛にダメージがあらわれることになります。
大切なのは髪の毛が乾いている時と濡れている時のダメージの温度差です。
髪の毛が濡れていると、ついついスタイリングしやすいと思ってアイロンやブローをしてしまいがちですが、実は低温でも髪が濡れているとダメージを受けやすくなるというのがわかると思います。濡れた髪には温度設定が大切です。
物理的要因「摩擦」
ブラッシングには特に注意が必要です。
ブラッシングは髪の毛の汚れを取ったり、ほつれを直したり、頭皮のマッサージとしても欠かせないものです。
ブラッシングすることで髪の毛の半分以上の汚れやほこりは落とせるといわれ、過剰なシャンプーを不要にします。
しかしブラッシングも濡れた髪にとっては、非常に過酷な環境になります。
濡れた髪は最も弱い状態に置かれているからです。
髪の毛を乾かさずに寝ると、摩擦によってキューティクルがはがれてしまいます。
化学的要因「ヘアカラー・パーマ」
髪の毛に悪いと思っていても、一度やってしまうと止められないのが「ヘアカラー」や「パーマ」です。
白髪のままでいられるわけもなく、髪の毛が薄くなればなるほど、髪のボリュームを得るためにパーマは必然となります。
これは女性のおしゃれの最低限の要素にも思えます。
ヘアカラーやパーマは化学処理によってキューティクルを根本から変質させてしまうものです。
アルカリ剤の影響でキューティクルが溶けて、1回のヘアカラーやパーマで髪の毛が0.03ミリも細くなってしまうといわれています。