どこから来たの?どうやってできたの?【奥出雲食房】の食材たち
〜「えっちゃん」こと 渡部悦義さん篇〜

「えっちゃん」こと、渡部悦義さんは、無農薬のお米を追求して20年。 なんと去年、えっちゃんの田んぼのお米は、2005年度のお米で、ほんとうにたまたま出したという米食味コンクールで金賞を受賞しました。つまり、お米のソムリエたちに、日本一おいしいお米のひとつと認定されたのです。

そんなえっちゃんの田んぼは、奥出雲地域でも山深い阿井(あい)地区の、一番奥にあります。中でも、金賞にかがやいたお米の田んぼはの田んぼは、周りを山で囲まれた、本当に奥の奥の田んぼです。
周囲の環境はといえば、もちろん、空気も景色もめちゃくちゃきれい!
そして、なんと、田んぼの脇には、湧き水が湧きでていて、わさびが自生するほどの水の美しさ。人間がそのまま飲める美味しい、きれいな湧き水です。それがそのまんま田んぼに張られています。一番上流なので汚染物質や農薬が入り込む隙なんてありません。
…どうです、これって、おいしいお米の条件そのまんまでしょ!?

こんな田んぼで、生態系に影響しないよう、農薬、はてはマルチやアイガモなどにすら頼らず、手作業で草取りしながら丹精こめて育てられているお米ですから、それはそれは、山の気の満ちたスピリチュアルな感じのするおいしさ。(※夏の草取りの手間を軽減するため、除草剤を1回散布した低農薬栽培もしておられます。)

えっちゃん自身も…超がつくほど、バイタリティあふれる、すごい人です。フットワークが軽くて、顔も広くて…。二十年前、環境問題への興味をきっかけに無農薬の米づくりを始めたというその先見の明にもおどろかされます。口コミでじわじわファンが広がってきているというえっちゃん。味はもちろん、そのお人柄に惹かれてお米を買っている人も多いんじゃないかしら。そんなえっちゃんに、インタビューでいろいろとうかがってきました。

「えっちゃん」にインタビュー

無農薬の米づくりに挑戦することになったきっかけは何だったんですか?

20年ほど前にね、(鳥取県の)倉吉で、温暖化とか、森林伐採とか、酸性雨とかで、「地球が大変だ」という講演会を聞いたのがきっかけでね。それから、環境のことに興味を持って、(奥出雲町佐白の)多根の自然博物館なんかで一生懸命地球のことを勉強してね。
長い地球の歴史から言えば、人類はほんの針でついたくらいの時間しか生きちょらんのに、その間に地球の環境をすっかりダメにしようとしちょる。
これじゃあいけん、と思って、安全なものを作って、持続可能な農業をしようと思ったんだわ。 それに、その頃出会った本で、普通の市場原理に巻き込まれると、ごく普通の人間は必ず行きづまるようになっている、というのを読んでね。自分の生活を成立させるのは難しいけど、人が本当に喜ぶことをしていくようにすれば、自分に共感してくれる人が現れて、だんだん楽しくなってくる、っていう風に書いてあって、自分はそういう道を選ぼうと思ったんだわね。

それから、色々と苦労をされたとききました。

そうそう、最初はね、周りにも笑われてね、だいぶ失敗したがね。アイガモを飼ったら、キツネに取られてしまったり。安全でおいしいお米にしようと、土壌改良のために、かなりお金もつぎこんでね。(鳥取の)境港までわざわざ行って、カニの殻をもらってきたり、ヤシガラの活性炭を試したり。無農薬だと、収量も少なくなるし、採算は度外視だわね。

金賞を受賞したのには、どんな秘密があるんですか?

近年は、ミネラルと微生物の土壌改良が流行っちょってね、1Hz(イチヘルツ)というのが安くて、うちでは、それを使っちょるけど、それがよかったのかな。海洋深層水とミネラルが入ってる土壌改良剤で、田んぼに流すだけ。でも正直言って、今までの何がどう効いておいしいお米になったのかはわからんね(笑)

だいたい、おいしいお米の条件として言われてるのは、昼夜の温度差、まさ土(花崗岩質)を通ったミネラル水、日照時間、水環境がいいことだわね。
同じ仁多米でも、ちょっと標高が高すぎるとあんまりおいしくなくなったりすーらしいね。

悦義さんの田んぼでは、田植えから収穫までは、どんな流れなんですか?

まず、5月の後半、20日ころに田植えをする。除草剤は、まく田んぼとまかない田んぼがある(日本一になったお米は無農薬)けど、まく場合は、田植えから10日か15日以内に1回だけまく。そうすると、まだ小さい雑草は全部きれいに溶けてなくなってしまう。こわいね〜。大きくなった草には効かないんだけどね。イネが伸びると、雑草は日陰になって生えにくくなるけん、この1回でかなり雑草を防げるんだわ。うちの田んぼは、風が強いから、マルチなんかの横着なことはできんけん、無農薬だと、地元のシルバー人材サービスで、お年寄りを頼んだりしてひたすら草取りをすーよ。
収穫は、年によってちがうけど、去年は9月。はで干し(天日干し)の場合は、20日間干しておくので、10月に出荷だったね。
はで干しにもコツがあってね。晴れの日を狙ってイネを刈って、ハデに干す前に、一度土の上で乾かしておいて、それからハデに干すと、イネ自体が軽くなって扱いやすいよ。

普通の農法では、だいたい、どんな感じで農薬を使うんですか?

まず種もみの時にね、タチガレンという立ち枯れ防止剤をかける。何回か使う人もおられーよ。それから、田植えの時に、イモチ病、モンガレ病、害虫防止の混合剤を入れる。それから田植えの前後には、除草剤もまくね。これも、2、3回使う人もおられーね。秋にも出水前後に混合剤を2、3回使うね。

うわー、知らんかったです。そんなに使うんですね〜。
では、いまの農業のスタイルで、いいことはどんなことですか?


いまは、お米は、収量が少なかったりで、普通に農協に買ってもらってると、とてもじゃないけど採算が合わんけん、多少高くても納得して買ってくれる人に、自分ができる範囲で売ってるよ。この方法だと、お客さんと直接顔の見える関係になって、信頼関係が築けるのがうれしいね〜。時間はかかるけど、だんだん口コミでお客さんが増えてきてね。

本物を追求していくことは、勉強に終わりがないけん、本当に面白いよ〜。


★★テンポ良く質問に答えてくれた頼もし〜いえっちゃんでした☆これからもよろしくおねがいします!★★

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